冷泉麻子「そど子卒業に際して」
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12: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2018/11/14(水) 19:38:57.35 ID:Nn2yIfhz0

 生徒会室へ向かう道中。

「金春さん。少し訊きたいことがある」

 そう切り出すと、金春さんは「なに?」と短く応えた。

 ふと思えば、金春さんと二人きりというのはこれが初めてのことだった。
 いつもはそど子や後藤さんが傍にいるからな。
 同学年の彼女らより、学年の違うそど子と話す機会の方が多いというのは、考えてみればおかしなものだ。

「そど子のことなんだが、風紀委員は、なにかあいつに餞別を用意しているのか」

「そりゃあね。卒業式の日に花束渡したりとか……いろいろ考えてるよ」

「ということは、やっぱりそど子は卒業するんだな」

「うん、するよ?」

 金春さんは『何をおかしなことを』とでも言いたげな表情で返す。


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