ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2018/11/23(金) 23:34:50.55 ID:i37PCr8J0
「ふん。これだけのギャラリーの前で漏らすとは、なんたる光栄。まったく、最高に愉快だ」
「少佐の副官となれて、私は幸せでした」
「ありがとう、セレブリャコーフ少尉。私も貴官のような副官に巡り会えて、幸せだった。諸君らにも感謝している。そして、さようなら」
にやりと、不敵に微笑み、少佐は漏らした。
「……セレブリャコーフ少尉」
「なんですか、ヴァイス中尉」
「少佐殿は……漏らしたのか?」
「はい。間違いなく、漏らしています」
セレブリャコーフ少尉の膝に伝わる温もり。
それはデグレチャフ少佐の生命の火だった。
生きているからこそ、温かい。故にわかる。
自分の腕の中でまるで死んだように静かに目を閉じている少佐は、たしかに漏らしたのだと。
「そうか……」
「ヴァイス中尉の望み通りになりましたね」
「ああ、そうだな。もう思い残すことはない」
「……中尉?」
その空虚なヴァイス中尉の言葉が妙に引っかかり、ちらりと様子を伺うと、気づいた。臭い。
「自分は少佐殿の後を追うことにした」
「そんな、殉死なさるなんて……」
「そうする以外、選択肢はなかったからな」
自責の念に駆られたヴァイスは自ら漏らした。
周囲を見渡すと、他の隊員も次々と殉じた。
部屋はむせ返るような大便の匂いに包まれた。
そうしたくなる気持ちはわかるが、セレブリャコーフ少尉は、少佐に殉じた彼らを批難した。
「皆さん。殉死だなんて、そのようなことを少佐がお認めにはなるとお思いですか?」
「ふん。認めるわけがないだろう」
聞こえる筈のない声が、部屋に響き渡った。
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