ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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27:名無しNIPPER[sage sage]
2018/11/23(金) 23:32:44.17 ID:i37PCr8J0
「見届け人はヴァイス中尉か」
「はっ」
「よくここまで耐えたな」
「っ……!」

これまで耳にしたことのない、優しいお言葉。
ヴァイス中尉は自らの言動を省みて、恥じた。
何が、少佐の漏らす姿が見たい、だ。馬鹿か。

どうやら自分は、どうかしていたらしい。
セレブリャコーフ少尉が正しかった。
改心したヴァイスは、額を地面に擦り付けた。

「申し訳ありませんでしたぁっ!!」
「む。突然どうした、ヴァイス中尉」
「自分は……小官は、間違っておりました!」
「……今更そんなことを言っても遅いです」

あまりの豹変ぶりに驚くデグレチャフ少佐。
セレブリャコーフ少尉は冷ややかに見下す。
ヴァイス中尉は己の罪を償うべく、嘆願した。

「お願いします! どうか少佐殿の手で、薄汚い欲望に塗れた小官を厳罰に処して頂きたい!」

しかしデグレチャフ少佐にはもう時間がない。

「ヴァイス中尉。私は貴官を責めやしない」
「少佐殿……」
「だから顔を上げて、見届けてくれ」

逆に懇願されて、ヴァイス中尉は不思議な気持ちになった。こんなに穏やかな少佐は見たことがなかった。もしかしたら、これが偉大な大隊長の素顔なのかも知れない。心がときめいた。

「さあ、諸君。そろそろ、お別れだ」

ふらふらした足取りで、自然と戦友が集う。
デグレチャフ少佐を膝に乗せて抱きしめるセレブリャコーフ少尉を、隊員達が取り囲む。

強く、厳しい、指揮官の最期を見届ける為に。


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