ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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34:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 23:48:15.16 ID:i37PCr8J0
「静かになったな、セレブリャコーフ少尉」
「皆さんはお着替えする必要がありますから」
「少尉は軍服を洗わなくていいのか?」
「平気です。この軍服は二度と洗いません」

尿が染み付いているのに、何を言ってるのか。
変なところで頑固な副長に苦笑しつつ、デグレチャフ少佐は、気になっていたことを尋ねた。

「貴官は何故、私の後を追わなかった?」

別に不満という訳ではない。純粋な好奇心だ。

「少佐殿は以前、作戦行動中にこう仰られました。『自分がロストしたら、中隊を率いて戦線から離脱しろ』と。私はその命令に従い、残された第一中隊の指揮を執るつもりでした」
「セレブリャコーフ少尉は副官の鑑だな」
「いえ、結局は中隊を失ってしまいました」

心底申し訳なさそうに謝罪する副官を、労う。

「貴官のその責任感を、私は誇らしく思う」
「デグレチャフ少佐……」
「そもそも、残された全員が私の後を追って殉じたことの方が大問題だ。まったく、本当に奴らときたら……何を考えて生きているのやら」
「みんな、少佐のことが大好きなんですよ」

直球でそんなことを言われると照れてしまう。

「まあ、あれだ。別に……悪い気はしないがな」
「嬉しそうですね」
「嬉しくなどない。嘆かわしいだけだ」
「そうでしょうか? 私はこの大隊が好きです。デグレチャフ少佐は私たちがお嫌いですか?」
「……好きが嫌いかと言えば、嫌いではない」
「まるで子供みたいなことを仰るんですね?」
「ふん。私は見ての通り幼女だ。何が悪い?」

言葉を濁すと、素直で優しい副官に笑われた。


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