【オリジナル】カッコつけた言葉はいつだって、堂々めぐりを繰り返す【短編】
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1: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/11/27(火) 23:55:20.39 ID:T9RTICfA0



「……あーあ」


溜め息混じりに、俺はぼそりと呟いた。


「……年末、つまんね」


手に持ったグラスの中で、琥珀色の液体に浮かぶ丸い氷が、カランと小さく音をたてる。




池袋にある行きつけのバー、『AKASAKA』。


ここに通い始めて、もう何年になるだろうか。


池袋にあるのに『AKASAKA』とはまた妙なネーミングだが――理由を聞けば何のことはない、オーナーの名字が赤坂だというだけの話だ。


まだ早い時間で、客はただ独り、自分だけの店内。


呟き声のつもりだったが、静かな店内では思ったよりも響いたらしい。


この店のオーナーであり、マスターでもある赤坂氏が、厨房スペースの奥から、のそりと現れた。


手にもった皿にはスモークチーズか何かだろうか、うす茶色の四角い切り身みたいなものがのっている。


「ん」


差し出された皿から、ひとかけつまんで、口に入れる。


……うめぇ。


もうひと切れ、と手を伸ばす俺の姿を見て、赤坂氏がかすかに自慢げな表情を浮かべる。


「……イカかい?」


「ん」


ニヤリと太い笑みを浮かべてうなずく赤坂氏。


……自家製のイカの燻製とはね。こりゃまたヒットだな。今日来て正解だったぜ。


――このおっさん、ゴツい顔立ちと体格に似合わず、実は料理のセンスが抜群なのだ。


客のいない時、たまにこうして作ってくれるつまみは、毎度酒がすすむこと請け合い。


半分はこれを目当てに通っているようなものだ。



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2: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/11/28(水) 00:30:43.72 ID:I9sKbOaA0


スツールの上で身を反らすようにして、何とはなしに店内を見渡す。


以下略 AAS



3: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/11/28(水) 00:38:33.91 ID:I9sKbOaA0



「……世界を崩したいなら、泣いた雫を活かせ」

以下略 AAS



4: ◆axPwtNeSoU[saga]
2018/11/28(水) 00:46:49.73 ID:I9sKbOaA0
以上、完結です
お目汚し失礼しました

タイトルと本文内容から気付いてらっしゃる方も多いと思いますが、カッコつけた(「」や『』を付けた)言葉は、『AKASAKA』等も含めて全て回文(前から読んでも後ろから読んでも同じ文)です

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage]
2018/11/28(水) 00:52:03.99 ID:Q4ExVOhd0
「俺と森本レオ」も回文かww
乙ですよー


6:名無しNIPPER[sage]
2018/11/28(水) 05:38:26.70 ID:khDdOzvK0
こういうセンスある短編すき


7:名無しNIPPER
2018/11/28(水) 16:37:59.12 ID:kpdPcDCi0
あなたでしたかww
相変わらず上手いww
乙です


8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/28(水) 17:56:21.23 ID:1CT/M5460
やるじゃん


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