本田未央「うちの兄貴の華麗なる(?)日々」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/11(金) 20:20:20.99 ID:6bUZbsq+0
期待と緊張に包まれた初日、真新しくもどこか懐かしさを覚える教室で俺達は自己紹介をしていた。

『新田美波です、中学までは実家の広島にいました。分からないことばかりですがどうぞよろしくお願いします!』

新田は他の女子の存在が霞む程の美人だった。男子は軒並み鼻の下を伸ばし、我こそがお近づきになるのだと早くも椅子から腰を浮かしていた。

「へぇ、てことは兄貴も?」

「まぁ、否定はしねぇさ」

が、それも長くは続かなかった。
自由時間、男子よりも先に女子が新田の机に群がり仲良くなろうと躍起になっていた。
俺は周りの男子と雑談をしていたのだが、そこで言ってはならない言葉を発してしまったのだ。

「言ってはならない言葉、ですか?」

「あぁ。その様子なら君たちは言ってないか、こいつが大人になったんだろうね」

『やっぱ広島育ちってことは、毎日広島焼きでも食べてるのかね?』

大阪出身なら誰でも話にオチを付けるし、神奈川出身なら誰でもサザンやTUBEを歌える、みたいな安易な偏見さ。
俺は新田の私生活について他の奴等と勝手に想像してただけだ。
でも、それは新田の逆鱗に触れる言葉だったんだ。


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