プロデューサーは、双葉杏を咲かせたい
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9:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:38:20.72 ID:HCYRpEUW0
「へぇー、女体の神秘ってやつですね」
「保健の教科書に載ってる事ですよ?」
「それを読み込む奴はスケベ扱いを受けるので殆ど読んで無かったですね」
性の扱いというのはデリケートなものである。身近に母や祖母以外の異性がいないとその手の知識は入ってこないものである。
「でもさ、それって杏ちゃんが今まで誰にも恋をしたこと無いって事でしょ? そんな事ってあるのかな?」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:39:17.29 ID:HCYRpEUW0
恋をする相手は教師や親兄弟、画面の向こうの俳優やそれこそアニメのキャラクターでも構わないのだ。更に言えば性別すらも厭わない。
それが起きていないという事は、人を好きになる気持ちが分からないという事を意味する。
「んー、でも杏ですよ? 案外あり得るんじゃないですか?」
「プロデューサー、杏ちゃんをなんだと思ってるんですか!」
余りにも無礼なプロデューサーの言葉に菜々が怒り、それを2人が宥めつつその日の宴は幕を閉じた。


11:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:40:31.73 ID:HCYRpEUW0
翌日、プロデューサーは昨日とは異なり自身のデスクで仕事をこなしていた。
が、その目線は書類やパソコンの画面ではなく度々杏へと向けられていた。
「ねぇプロデューサー。さっきからなんなのさ。落ち着いて昼寝も出来ないよ」
杏はたまらず不満を口にした。チラチラと見られて気分が良くないのは尤もだ。
「あー、そんなに見てたか?」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:41:25.84 ID:HCYRpEUW0
「すまん杏。……ちょっと聞きたい事があるんだが、いいか?」
「何さ、改まって」
普段とはあからさまに態度の違うプロデューサーに怪訝な表情を浮かべる杏。
プロデューサーは杏が寝そべっているソファーの向かいに腰掛け、話を切り出した。
「なぁ杏。『少女性徴覚醒』って知ってるか?」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:42:27.82 ID:HCYRpEUW0
「おま、それがどういう意味なのか知ってるのか?」
「もちろん。杏、今まで恋ってしたこと無いんだよねー」
初恋とは人間誰しも通る道である。中には
『ボクは愛など信じないよ』
などと口にする者もいるのだろうが、そんな者だって大抵は物心ついて直ぐに誰かを好きになるものだ。記憶に残っておらずとも。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:43:32.80 ID:HCYRpEUW0
『双葉杏が少女性徴覚醒を迎えたらどうなるのか』
双葉杏は美少女である。
生活態度こそだらしなく時には目を逸らしたくなることもあるが、そこは揺るぎ無い事実だ。
そんな美少女が成長をしたら、どんな風になるのか。気にならないという方が嘘になるだろう。
もちろん中には少女性徴覚醒を迎えても肉体的に大きく成長しない者もいる。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:44:18.25 ID:HCYRpEUW0
「なぁ、杏。俺の為に咲いてくれないか?」



16:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:46:55.90 ID:HCYRpEUW0
プロデューサーは杏の前に膝を立てた状態で座り、彼女に目線を合わせてそう言った。
瞬間、プロデューサーの目には咲き乱れる花弁が目に写った。
……が、それは杏からではなく彼らの後方から舞ったものだった。
振り向くと、そこにはキュート部署所属の小学生アイドル、古賀小春の姿があった。
「プロデューサー、やっぱり王子様だったんですねぇ〜♪」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:48:20.57 ID:HCYRpEUW0
では小春はプロデューサーに恋をしたのか? 否。では杏に? それも否。
『恋に恋するお年頃』という言葉がある。
小春は、プロデューサーと杏に自身の理想を垣間見たのだ。
それが小春が咲くきっかけとなった。
「はあー、素敵ですぅ〜♪」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 18:49:29.37 ID:HCYRpEUW0
今さらながら、自身の言葉の意味に気付いたプロデューサー。しかし後悔先に立たずとは言ったものである。
振り向くと既に小春の姿は無かった。恐らく自分の見た感動を共感して貰いたくて誰かに話しに行ったのだろう。
「ど、どうしよう……?」
「知らないよ。それに、さっきの言葉はお断りだね」
「な、なんでだ? 別に俺相手じゃなくてもいいんだぞ?」
以下略 AAS



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