10: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/04/05(金) 17:31:41.37 ID:iywvaqaG0
  
  
 「……傘、忘れたんだろ」 
  
 「…………は?」 
  
 「でもって雨宿りしてて、最悪雨の中走って帰ろうと思ったけど俺が戻って来ちゃって、しかもなかなか帰らないから『傘忘れた』って恥ずかしくて言えなくて困ってたんじゃないか?」 
  
 「……………………はーー」 
  
 「いや分かるよ? しっかり者アピールしてる人のそういうウッカリって人に言えないもんな」 
  
 「はーはーはーはー」 
  
 「どうだ、俺の推理」 
  
 「お疲れ様でした、明日もよろしくお願いします」 
  
  スッ、っと立ち上がって帰りの支度をする結華。 
  そんな彼女の鞄から、きちんと用意されていた折り畳み傘が取り出された。 
  
 「Pたんは残るんでしょ? せいぜいカフェイン中毒になるが宜しいかと」 
  
 「違ったのか」 
  
 「プロデューサーが夜に戻って来る事くらい知ってましたよーだ」 
  
 「……えっ、なんで?」 
  
  はづきさんにしか言ってなかった気がするんだがな。 
  いやまぁ、はづきさんに聞けばそれくらい分かる事でもあるが…… 
  
 「……あっ」 
  
 「ん?」 
  
 「何でもないしPたんも早く帰ったら? ばいばい、じゃあねー!!」 
  
  そう言って、駆け足で去っていた。 
  
  
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