9: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/04/05(金) 17:31:15.29 ID:iywvaqaG0
  
  
 「……あっ」 
  
  繋がった。 
  繋がってしまった。 
  結華が何故未だに事務所に留まっているのか。 
  その理由が、分かってしまった。 
  
 「……そっか、なぁ……結華」 
  
 「えっ、な、何? 急に改まっちゃって」 
  
 「……言い出すの、恥ずかしかったんだろ」 
  
 「……………………えっ? えええっっっ?!」 
  
  顔を真っ赤にして、視線を逸らす結華。 
  やっぱり、そうだったんだな。 
  
 「やっぱり俺から言い出すべきだったんだな」 
  
 「えっちょっと待って。待って待ってプロデューサー!」 
  
 「大丈夫、気にしなくていい」 
  
 「気にするって! なんで私が引いたボーダーラインを軽々踏み越えようとしてるの?!」 
  
 「なぁ、結華。お前さ……」 
  
  照れたように、けれど視線だけはしっかりと此方へ向けて。 
  スカートに乗せた両の手を、ぎゅっと握りしめて。 
  それでも、俺の次の言葉を待つ様に。 
  そんな結華に向けて、俺は答えを述べた。 
  
  
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