1: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:14:07.95 ID:pcs6abfO0
 
 ――レッスンルーム 
  
 タン タン タンッ 
  
 速水奏「……ふぅ」 
  
 ルキトレ「わぁ……」 
  
 モバP(以下P)「おー……」 
  
 奏「歌、ダンス、ビジュアルの演技、一通り見てもらったけど……どうだった? ご感想は?」 
  
 P「どれも筋がいい」 
  
 奏「あら、ありがとう。全部見よう見まねでやっただけだけど、私、割と器用な方なのかしら」 
  
 ルキトレ「ですね、簡単な振り付けならすぐ覚えてしまいそうです」 
  
 奏「ありがとう。教え方がいいからじゃない?」 
  
 ルキトレ「そう言ってもらえると、えへへ……」 
  
 P「こうなると、いろいろ試したくなってくるな」 
  
 ルキトレ「ですね。奏さん、こんなのはできますか?」 
  
 キュッ 
  
 ルキトレ「えいっ」 
  
 クルッ 
  
 奏「バレエのターンかしら」 
  
 ルキトレ「はい、アイドルのダンスに多用されるわけじゃないですが、ダンスの一つの基礎なので」 
  
 奏「ええと……」 
  
 キュッ グルッ 
  
 奏「……ちょっと軸がぶれるわ」 
  
 ルキトレ「首を残してターンするのがコツなんですが……」 
 
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2: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:15:47.25 ID:pcs6abfO0
  
 キュッ クルッ 
  
 奏「どう?」 
  
3: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:16:36.67 ID:pcs6abfO0
  
 P「ん? ああ、ちひろさんに話をしてくれれば大丈夫」 
  
 奏「あの事務員さんね。了解」 
  
4: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:17:30.81 ID:pcs6abfO0
  
 ――スタジオ 
  
 カメラマン「視線はカメラのレンズの上、ココらへんね」カシャ カシャッ 
  
5: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:18:31.02 ID:pcs6abfO0
  
 カメラマン「この笑顔はかなりいいと思うわぁ」 
  
 P「これ、さっきのですか。毎度俺を弄るの勘弁してほしいなあ」 
  
6: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:19:28.43 ID:pcs6abfO0
  
 奏「さっきのトレーナーさんといい、カメラマンさんといい、なんていうか……朗らかな方が多いのね」 
  
 P「んー……まあ、いろいろ正直な人が多いかもな」 
  
7: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:20:06.98 ID:pcs6abfO0
  
 奏「いざとなったら、守ってもらえるんでしょ」 
  
 P「そりゃ、事務所はアイドルの味方にならなきゃな」 
  
8: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:21:27.42 ID:pcs6abfO0
  
 ――一週間後 レッスンルーム 
  
 ルキトレ「はい、じゃあ今日はここまで」 
  
9: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:22:02.43 ID:pcs6abfO0
  
 奏「からかうなんて、悪い人ね」 
  
 P「おう、奏。おつかれ」 
  
10: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:22:55.72 ID:pcs6abfO0
  
 ――事務所 
  
 奏「それで、打合せって?」 
  
11: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:23:31.86 ID:pcs6abfO0
  
 P「それから、モデルの仕事を勧めたい」 
  
 奏「あら、素敵」 
  
12: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:24:08.03 ID:pcs6abfO0
  
 P「いまさらだけど、部活とかってやっているか?」 
  
 奏「いいえ? 部活と勉強と、さらにアイドルまでやるほど器用じゃないもの」 
  
13: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:24:35.80 ID:pcs6abfO0
  
 P「CMやバラエティのテレビ系もいいよな。ラジオはどうだ?」 
  
 奏「たぶん大丈夫?」 
  
14: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:25:20.06 ID:pcs6abfO0
  
 P「それぐらい言えるなら、大方の仕事は大丈夫そうだな」 
  
 奏「水着モデルくらいまで?」 
  
15: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:25:52.37 ID:pcs6abfO0
  
 P「やり返されて驚くくらいなら、最初からからかうな」 
  
 奏「むぅ……」 
  
16: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:26:33.45 ID:pcs6abfO0
  
 ――数週間後 
  
 P「ファンが付いたぞ」 
  
17: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:27:07.00 ID:pcs6abfO0
  
 奏「アイドル、偶像か……あまりいい意味でとらえたことは無かったけど」 
  
 奏「それでも、なんていうか……悪い気分じゃないわ」 
  
18: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:27:49.57 ID:pcs6abfO0
  
 奏「方向性って、私の?」 
  
 P「ん? ああ、別にノープランってことじゃないんだけど、速水奏のイメージをどこに着地させるかって言うのはこれからだな」 
  
19: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:28:20.12 ID:pcs6abfO0
  
 P「ん……え?」 
  
 奏「え、って?」 
  
20: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:28:48.57 ID:pcs6abfO0
  
 奏「答えだけど……ないの」 
  
 P「……へぇ」 
  
21: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2019/04/16(火) 22:29:27.86 ID:pcs6abfO0
  
 奏「んー……」グイグイ 
  
 奏「首に手を回すには、もっと密着しないとダメかな」 
  
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