305: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:26:43.80 ID:Bg3Eqo0s0
  
 これではれて、全員分の飲み物の準備ができた。 
 全員が自分の御猪口を持ったところで、莉緒がこのみたちをぐるっと見回した。 
 冗談めかして、こほん、と咳ばらいをするふりをしてから、莉緒は話し出した。 
  
 このみは思い返す。 
 公演のたびに、こうしてお酒で乾杯した。 
 明日から少しの間、劇場から離れてしまうけれど、それも私が選んだ道だ。 
  
 「──このみ姉さんのセンター公演の成功を祝して。そして、姉さんの舞台の成功を祈って……。」 
  
 こうして、背中を押してくれる人がいてくれるから、きっと私は踏み出せたんだ。 
 だから今日は、目一杯楽しもう。 
 これからもみんなと一緒に、私が進んでいくために! 
  
 「かんぱーい!」 
  
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