316: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:32:42.91 ID:Bg3Eqo0s0
  
 辺りが暗転するとともに、このみはステージへと飛び出していった。 
 客席には、前の曲の余韻が残っていて、青いサイリウムの色が海みたいにきれいだった。 
  
 このみは、ステージの真ん中で足を止めた。 
 舞台の仕事でアイドル活動を休止する直前、鶴の姿で『dear...』を歌ったときから、 
 復帰後初めての公演で歌う曲はこの曲だと決めていた。 
 『dear...』と同じ、恋の歌。 
 大切な貴方へ、届けたい気持ちをのせて。 
  
 耳元から、秒読みが聞こえてきた。 
 鼓動が胸の奥で音を立てるのがわかった。 
 このみは、息を吸い込んだ。 
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