258: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:46:24.13 ID:ob1y39C80
  
 誰もいない家へ逃げ帰って、部屋に飛び込んだ。 
  
 ベッドへ倒れこみ、うつぶせたまま、さっきの光景を思い出す。 
  
259: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:46:52.54 ID:ob1y39C80
  
 そのはず、なのにさ。 
  
  
 「なんで真美、こんなに嫌な気持ちになってるの……?」 
260: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:47:19.31 ID:ob1y39C80
  
 応援してあげなきゃ、って気持ち。 
  
 応援したくない、って気持ち。 
  
261: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:47:50.42 ID:ob1y39C80
  
 月曜日、事務所に行く足取りは重かった。 
  
  
 「……兄ちゃんとどんな顔して会ったらいいんだろ」 
262: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:48:17.26 ID:ob1y39C80
  
 それっきり、中から会話は聞こえてこなかった。 
  
 なんか、すぐに入るのも気まずいよね……。 
  
263: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:48:43.82 ID:ob1y39C80
  
 スケジュールの確認をしてから、兄ちゃんから逃げるように事務所を出る。 
  
 そしてレッスン場へ行って、真美はレッスンレッスン、そしてレッスン。 
  
264: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:49:10.17 ID:ob1y39C80
  
 「急な追加で大変だろうけど新曲もあるし、頑張ってね」 
  
 「うん、初めてのソロライブだもんね」 
  
265: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:49:39.05 ID:ob1y39C80
  
 前向きになるための、手っ取り早い方法。 
  
  
 「そんなのあったら苦労しないけど……」 
266: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/21(金) 23:50:05.03 ID:ob1y39C80
  
 兄ちゃんのことは、事務所のみんなは知らない。 
  
 はるるんだけは気付いてるっぽいけど。 
  
267: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/22(土) 07:38:48.68 ID:F7aS3gER0
  
 「ねね、兄ちゃん。このお店知ってる?」 
  
 「いや、知らないな。美味しそうなフレンチですこと」 
  
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