佐々木「やっぱりキミは優しいね」キョン「そうか?」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:32:18.52 ID:Wuzd3WkQO
「キミは永遠というものを信じているかい?」

しばらく静かな時が流れ、そのあまりの居心地良さを振り切るように、佐々木に尋ねられた。

「そんなもの、あるわけないだろ」

その質問に対して、俺は即答した。
この世界に永遠なんてものは存在しない。
何も変わらないなんて、ありえない。
それが、良きにしろ悪きにしろ、だ。
永遠に変わらないのなら、永遠の停滞である。
それは退屈と同義であり誰もそれを望まない。

「とてもキミらしい思想で、実に興味深い」
「お前はどう思ってるんだ?」
「概ねキミの同感だね。永遠なんて、虚構さ」

永遠なんて、虚構さと、佐々木は言い捨てた。
それが告白してきた相手を振った理由だろう。
なんの根拠も確信もないが、そう思えた。

それはもしかしたら、佐々木の苗字が昔変わったことに起因するかも知れないが、そのことについてあまり深く考えることはやめておこう。
それが俺の父親について、中学時代からこれまでの間、一度も詮索をしてこなかった佐々木に対する、せめてもの礼儀だった。

「ありがとう、キョン」

不意に、佐々木は強く俺の手を握る。
まるで、この先ずっと離さないとでも言わんばりの勢いだが、それは所詮は女の握力であり、俺が振り払おうと思えばすぐに解けるだろう。

もし仮に、涼宮ハルヒならば。
きっと、俺の手を握り潰している。
その辺りが、棘のある女との、違いだった。


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