佐々木「やっぱりキミは優しいね」キョン「そうか?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:14:27.14 ID:Wuzd3WkQO
綺麗な薔薇には棘がある。

とはよく言ったもので、確かに俺の乏しい人生経験上、それはこの世の真理であると言えた。
幸か不幸か俺の周囲には綺麗な薔薇と呼べる女子が多数存在しており、そしてなんの因果か関わり合った彼女らには1人の例外もなく棘があり、時にはその鋭い棘の先端に猛毒がたっぷりと塗られていた、なんてこともあったりした。

「やぁ、キョン。待ちくたびれたよ」

だから、自宅の前に佇んでいた中学時代の同級生に声をかけられるまで、その唯一の例外と呼べる存在に気づくことは、出来なかった。

「佐々木……」
「おや? 覚えていてくれたとは、意外だね」

忘れる筈がないだろうとは今の俺には言えず。

「様々な女の子達との思い出に浸っていた今のキミに、すぐに思い出して貰えるとは光栄だね。てっきり、僕のことなんて一切合切すっぱり忘れてしまっているとばかり思っていたよ」

まるで見透かしたようなことを言いながら、くつくつと喉の奥を鳴らすその特徴的な笑みを久しぶりに耳にして、変わらないなと、思った。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:16:01.02 ID:Wuzd3WkQO
「何をしてるんだ、こんなところで」
「キミに会いに来たのさ」

そんな、まるでメロドラマの台詞のようなことを言って、佐々木は格好良く口の端を曲げた。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:17:35.48 ID:Wuzd3WkQO
「キミのTシャツは僕にはブカブカだね」
「贅沢言うな」
「これ以上の贅沢など、そうそうないとも」

佐々木を家に上げて、ひとまず着替えさせた。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:18:47.47 ID:Wuzd3WkQO
「あまり露骨な反応はやめたまえ」

そんなことを言われても、困っちまう。

「見たいのならば、見ればいいさ」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:20:02.81 ID:Wuzd3WkQO
「それで? 何があったんだ?」

隣に腰かけて説明を求めると佐々木は困ったような顔をして苦笑し、困りごとを打ち明けた。

「まあ、よくある話さ」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:21:30.04 ID:Wuzd3WkQO
「なあ、佐々木」
「なんだい?」
「ひとつだけ、聞いても構わないか?」

俺の疑問は、そう難しいことじゃない。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:32:18.52 ID:Wuzd3WkQO
「キミは永遠というものを信じているかい?」

しばらく静かな時が流れ、そのあまりの居心地良さを振り切るように、佐々木に尋ねられた。

「そんなもの、あるわけないだろ」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:35:44.46 ID:Wuzd3WkQO
「また、女の子のことを考えているね?」

指摘され、図星を突かれた俺は弁明を諦めた。

「話してみたまえよ、キミの女性遍歴を」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:37:26.92 ID:Wuzd3WkQO
「……もう、怒ってないさ」
「本当かい?」
「ああ。だから、そんな顔するな」

そんな今にも泣きそうな顔なんて似合わない。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:39:44.16 ID:Wuzd3WkQO
「さて、キョン」
「どうした、佐々木」
「そろそろキミの女性遍歴を披露したまえ」

頃合いだろうと、佐々木はくつくつ笑う。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:41:25.40 ID:Wuzd3WkQO
「それにしても、キョン」
「なんだ?」
「それだけ異性と接していて、未だに誰とも付き合わないとは、もはや異常だと僕は思うね」

だから浮ついた話ではないと言っただろうが。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:43:34.82 ID:Wuzd3WkQO
「詳しくもなにも、いま話した通りだ」

何ひとつとして、難しいことはない。
膝の上に乗ったハルヒが、小便を漏らした。
それ以上でも、それ以下でもなかった。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:45:12.34 ID:Wuzd3WkQO
「じょ、冗談はやめろって」
「僕が冗談でこんなことを言うとでも?」

あまりに突然且つ、急勾配な急展開に狼狽する俺に対して、佐々木は本気であることを示すように立ち上がり、そして膝の上に、跨った。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:46:44.51 ID:Wuzd3WkQO
「キョン、何か言い残すことは?」

いよいよ、その時が近づいてきた。
ゴクリと生唾を飲み込み、乱れた息を整える。
最後に何を言い残すのかは事前に決めていた。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:48:34.52 ID:Wuzd3WkQO
「キョン、いくらなんでも近所迷惑だよ」
「あ、すまん」

誰にも邪魔はされないとは言ったものの、流石に近隣住民に迷惑をかけるわけにはいかず、俺はすぐさま正気を取り戻して、謝罪をした。

以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage]
2019/06/29(土) 00:15:57.64 ID:ue7SkK2Ho
乙ー


17:名無しNIPPER
2019/06/30(日) 00:51:49.29 ID:r1ZipMFZO
なんで流れるようにスカに走ってしまうんだ


18:名無しNIPPER[sage]
2019/06/30(日) 01:27:16.43 ID:6dHgu+Dho
またお前か 乙


19:名無しNIPPER
2019/06/30(日) 03:31:00.33 ID:e8ovP74D0
油断してた 乙


20:名無しNIPPER
2019/07/05(金) 18:50:17.08 ID:i39BZRK5o
小なら美しい話だゾ
おつおつ


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