佐々木「やっぱりキミは優しいね」キョン「そうか?」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/28(金) 22:35:44.46 ID:Wuzd3WkQO
「また、女の子のことを考えているね?」

指摘され、図星を突かれた俺は弁明を諦めた。

「話してみたまえよ、キミの女性遍歴を」
「俺はこれまで女と付き合ったことはない」
「ほう? 要するに、ただの遊びというわけか」

どこをどう解釈したらそんな結論になるんだ。
女と付き合ったことがないのは紛れもない事実だし、むしろ純情だと褒めて欲しいくらいだ。

「男子高校生以上に不純で不埒な生き物を、僕は寡聞にして見たことも聞いたこともない」

なんだその偏見は。とはいえ。
悲しい哉、その男子高校生についての見解に対して男子高校生である俺は反論出来なかった。
そんな情けない俺を見て、佐々木はやれやれと嘆息をして、聞き捨てならないことを言った。

「本当に男子高校生とは度し難い。こんな貧相で男みたいに振る舞う僕に好意を持つなんて、女ならば誰でも良いのかと疑ってしまうね」
「それは違うだろ、佐々木」

俺は即座に、その発言に対して強く反論した。

「お前に告白してきた男がどんな奴かは知らんが、人の好意をそんな風に邪推するな」

少しばかり、キツイ口調だったかもしれない。
それでも、佐々木の反応は意外だった。
あの佐々木が。いつも大人びている佐々木が。
まるで、叱られた子供みたいに目を泳がせて。

「ごめんよ、キョン……そんなに、怒らないで」

非を認め謝罪する彼女は、酷く弱々しかった。


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