道化の道化「狂いながら壊れながらも、一緒に生きよう」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/01(木) 23:00:26.91 ID:ZeTen5TYO
「……せがれよ、お前にこの話をするつもりはなかった。事の次第を話せば、儂はどうしても、感情的になってしまう。だから、許せ」

語り終えた父の怒りの劫火は、立ち消えて。
疲れたようにそう言って、僕の髪を離した。
ズキズキと痛む。頭ではなく、心が痛んだ。

「もう行け。あの道化の傍に居てやれ」
「……僕にいったい、何が出来るのでしょう?」
「知らぬ。自分自身で考えるのだ」
「しかし、僕には何も……」
「お前にしかしてやれぬことがある筈だ」
「……わかりました」
「では、下がれ」

深々と頭を下げ、非礼を詫びて、退室した。
自室へと戻る際に僕はひたすら考えていた。
あの可哀想な道化の姫君に何が出来るのか。

考えて考えて考えて、僕はこう結論付けた。

「だったら僕が……道化の道化になってやる」

心が壊れて感情をなくしたあの道化に、生きる希望と笑顔を取り戻すべく、僕は道化の道化を演じることにした。


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