悪魔「私はあくまで、悪魔ですので」
1- 20
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/03(土) 01:09:19.54 ID:+bo6H8JxO
「んじゃあ、その大国を滅ぼしちまえよ」
「どうやって滅ぼすというのだ」
「私と契って、悪魔の力でチャチャっとさ」

事もなさげに悪魔はそういって、指を鳴らす。
すると、地獄の底がひび割れて、裂けた。
改めて、出鱈目なその力に驚く衛兵を誑かす。

「この強大な力が欲しくはありませんか?」

悪魔は荒んだ口調を改めて、召喚した直後のような上品且つ丁寧な口調で、衛兵を誘惑した。

「腕を振るえば木々を薙ぎ倒し、足で踏みつければ大地を揺るがし、頭上に向けて咆哮するだけで貴方は天を割ることさえ出来るでしょう」

衛兵は実感する。たしかに、それは可能だと。
それだけの強大な力があれば、何でも出来る。
大国を滅ぼし、奪われた姫君を、取り戻せる。

「……対価はなんだ?」

自らの望みを目の前にぶら下げられて、まさに喉から手が出そうになるのを必死に堪え、衛兵は悪魔召喚について記された古書に書かれていた願いの対価について悪魔に問うた。

「この身ひとつでは、叶えられるとは思えん」

すると悪魔は、ニタリと笑い、対価を告げた。

「貴方に魔王として地上を蹂躙して頂きます」

地上の蹂躙。征服。それが悪魔の望みだった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
17Res/17.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice