悪魔「私はあくまで、悪魔ですので」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/03(土) 01:15:37.08 ID:+bo6H8JxO
「隙ありです!」
「うわ! くんなよ!」
「契りを結んでください!」
「や、やだよ!」
「何故ですか!?」
「だってお前を嫁にする気ないし!」
「どうしてですか!?」
「性格悪くて疲れそうだからだ!」
「……がーん」

売り言葉に買い言葉でついつい衛兵がはっきりと欠点を口にすると悪魔はショックを受けた。

「お、おい……大丈夫か?」
「別に平気です。性格悪いとか悪魔にとってはむしろ褒め言葉ですし? 全然気にしてません」

とか言いつつ、悪魔は半泣きだった。
その涙を人差し指で拭いながら、衛兵はなるべく弱った悪魔を刺激しないように、諭した。

「俺は姫様のことが好きなんだ」
「もっと他に言い方があるでしょうに」
「俺は口下手だから、そうとしか言えない」
「まあ、いいですけど。それで?」
「だからお前を嫁には出来ない」
「だから契ることも出来ないと?」
「そういうことだ」
「はあ……めんどくさ」

悪く言えば頭の固い、良く言えば一途な衛兵のことが心底面倒になり、仕方なく悪魔は指を打ち鳴らして特別に力を貸してやることにした。


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