悪魔「私はあくまで、悪魔ですので」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/03(土) 00:53:49.60 ID:+bo6H8JxO
「うっ……ここは……?」
「お目覚めですか?」

目が醒めると衛兵は地獄の底まで堕ちていた。
赤い空と、暗い大地。酷く暑く、乾いている。
そこら中に転がる石が背中に刺さって、痛い。
それなのに、後頭部だけは妙に心地良かった。

「私の膝枕はいかがですか?」
「は?」

言われて、気づく。悪魔に膝枕をされていた。

「わ、悪い。すぐに退けるから……」
「まあまあ、そう焦らずに」
「これが焦らずにいられるか!」

裾が短く露出の多い闇の衣から伸びる艶めかしい悪魔の生足は初心な衛兵には刺激的すぎた。

「せっかくですのでこのまま契りませんか?」
「ち、契り……?」
「はい。悪魔との契りです。ああ、勘違いされては困ります。私はあくまで全年齢対象の健全な悪魔なので契りと言ってもキスだけです」

唐突にわけのわからないことを捲し立てられて、混乱状態に陥った衛兵の半開きの口に。

「はい。ちゅー……」
「ま、待っ……!」

有無も言わさず接吻する間際、悪魔が止まる。

「ちっ。拒まれてしまいましたか」
「へ?」
「心の底から拒絶されると、悪魔は何も出来ないのですよ。とはいえ、軽くショックですね」
「な、なにが……?」
「あくまで悪魔である私は、悪魔的な美貌には自信がありましたので。それなのにこうも拒まれるとは思いませんでした。ムカつきますね」

苛立ちを隠そうともせずに悪魔はジト目で衛兵を睨みつけて、彼の両頬を手で押さえつけた。

「は、離せっ!」
「駄目です。私の眼を見てください」
「な、なんで……?」
「すぐにあなたを魅了してみせますので」
「か、勘弁してくれ!?」
「往生際が悪いですねぇ……仕方ありません」

頑なに目を閉じ、魅了なぞされてなるものかと悪魔の魔眼から逃れると、悪魔は何やらモゾモゾと身をよじらせて、悪魔的な言葉を告げた。


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