悪魔「私はあくまで、悪魔ですので」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/03(土) 00:58:34.69 ID:+bo6H8JxO
「もう、いつまで待たせるんですか〜?」
「いや、心の準備がだな……」
「え? もしかして初めてだったりします?」

なかなか契りを結ぼうとしない衛兵に悪魔が尋ねると、顔を真っ赤にして怒鳴り返された。

「わ、悪いか!?」
「うわ〜引くわ〜」

おえっと、えづきながら悪魔はドン引きした。
すると、衛兵は肩を落としてしょんぼりした。
その様子に気づいた悪魔は、ニタリと笑った。

「おやおや〜? 落ち込んじゃいましたかぁ?」
「うるさい。ほっといてくれ」
「ぷぷっ。キスの経験もないとか、あなたはこれまで何して生きてこられたのですかぁ〜?」
「俺はこれまで、ただ姫様をお護りするためにひたすら剣を振るい続けていた。それだけだ」

真剣な顔で姫君のことを想う衛兵を見て、悪魔は無性に苛々して、彼の髪を掴んで怒鳴った。

「その大切なお姫様を自分のものにする為にお前は私に願ったんだよ! 悪魔であるこの私になぁ! 何が姫様を護る為にだ! 馬鹿じゃないのか!? ちっとは自分の愚かさを自覚しろ!!」

とても悪魔とは思えぬその正論を受け、衛兵は何ひとつとして言い返すことが出来ず、嗚咽を漏らしながら涙を流し、地獄の底で慟哭した。


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