【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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21: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:32:34.81 ID:oj63shz20
「わぁー! 本当に夏葉さんなんですね! わぁ! わわぁ! わわわわあっ!」
「喜んでもらえて嬉しいわ」
 夏葉が手を差し出すと、小柄なその女性は飛び跳ねでもするように、せわしなく握手に応じた。

「あの、そちらの方は……」
 カップルの男性が俺を不思議そうに見た。敵意の類は感じない。

「夏葉のプロデューサーです」
「ああ、成る程です」
 男性の方も落ち着かない様子で、夏葉をちらちらと見ては溜め息をもらしていた。

 カップルの男女を観察する。年の頃は夏葉の五つか六つほど下だろうか。似た系統のカットシャツを着ている。手首には揃いのブレスレッドがあり、二人の親密さがうかがえた。ちなみに俺は黒いスーツで、夏葉は白のブラウスに薄いベージュ色のカーディガンだ。

 男性の方も、うやうやしい手付きで夏葉と握手を交わした。

「そ、それにしてもすっごい偶然だよね。――くん。そう思うよね?」
「そうだなぁ……こんなことあるんだな。宝くじが当たるよりビックリかも」
 女性が男性を名前で呼んだ。俺は二人の態度に違和感を覚えた。あまりにも驚きすぎている気がする。

「あ! え、えっと……! わたしたち、これを見て、今日ここに来たんです!」
 女性が手提げカバンから雑誌を取り出した。その古ぼけた雑誌を見て、その疑問は氷解した。

「あら……」
 女性が雑誌を開く。夏葉が感嘆の息を漏らした。そこには夏葉のウェディングドレス姿があった。もう九年も前の写真になる。

 女性が身を乗り出すように肩をいからせ、早口でまくし立てた。


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