【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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8: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:23:16.56 ID:oj63shz20
「そうね。アナタは努力を『手段』と割り切れてしまうタイプだわ。必要だと思ったらどこまでも努力ができてしまう」
 夏葉が人差し指を立てた。

 その言葉の一部には思い当たる節があった。逆説的だが、いつかの夏葉が口にした、『これが努力の楽しいところよね!』というセリフに感銘を受けたのを思い出した。

「なら夏葉は努力そのものを楽しめるタイプだな。何に対しても真摯で、全力で……情熱的だった」

「別にアナタに情熱がなかったと言いたいわけじゃないのよ? むしろ逆だわ。アナタには誰にも負けないくらいの情熱があった。そうじゃなきゃ十数人、数ユニットを同時にプロデュースできたりしないはずだもの。ただ……」
「……ただ?」

「情熱とかいたわりとか、そういう感情が自分に向いてないんじゃないか、って思うことはあったわ。自分に対する割り切りがよすぎるのよ、アナタって」

 そう言った夏葉の目は確信の色を帯びていた。俺は首をかしげる。自分はそんな殊勝な人間ではない。少なくとも仕事は楽しんでやれていたはずだ。

「そんなことないだろ。買い被りすぎだ」
「そんなことあるわよ。アナタはなんでも私たちに付き合ってくれたじゃない。買い物でも学校のことでも。本来仕事には関係ないことまで」
「必要なコミュニケーションだ」

「それに自分をいたわれる人は、自発的に過労で倒れるまで働いたりはしないわ」
「……それは、そうかもしれないが」

「『俺が怪我したって誰も困らないさ』。これ、アナタの言葉よ?」
「……い、言ったかな、そんなことも」

 しどろもどろになり目を反らすと、夏葉が困ったように笑った。


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