7:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:01:27.52 ID:W6D0RAKy0
 電車がスピードを落としていく。 
  
 また知らない駅に止まるようだ。 
  
 ドアが開いて、人が数人降りていく。 
  
 だんだん人が減っていく車両に、どこか取り残されているような焦りを感じつつ、それでも足は動かない。 
  
 「あ……」 
  
 声がした。少女の声だ。 
  
 顔をあげると、今乗ってきたらしい中学生ぐらいの少女がこっちを見て、俺と目があった瞬間視線を外した。 
  
 おおかた、スーツ姿の大人がくたびれた様子でガラガラの電車に乗っているのを見て、反応してしまったのだろう。 
  
 失礼だ、と怒る気にもならない。 
  
 おかしいのはこっちなのだから。 
  
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