8:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:02:42.17 ID:W6D0RAKy0
 少女は俺の正面の席に座った。 
  
 「……!」 
  
 改めて少女を見て、俺は内心驚いた。 
  
 服装は制服。赤みがかった髪を肩にかかるぐらい。 
  
 窓の外を無表情で眺めるその少女は、間違いなく美少女と呼べる顔つきをしていた。 
  
 少し近寄りがたいクールさを感じさせるけれど、うちのアイドルたちにも勝るとも劣らない、いつもの俺なら間違いなくここでスカウトをしている逸材だ。 
  
 もっとも、今の俺にそんな気力も資格もない。 
  
 声をかけることを一瞬考えたが、事務所から逃げている現状を思い出して何もできなかった。 
  
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