9:名無しNIPPER[saga]
2019/09/09(月) 20:03:48.40 ID:W6D0RAKy0
 あまり少女の顔を見るのもよくないので、また眠るように足元を眺めることにした。 
  
 ああ、ダメだ。 
  
 事務所に行っていないことに加えて、目の前の逸材をスカウトしていないことがさらなる重しになった気がする。 
  
 やるべきことをやらずに無駄な時間を過ごしていることが、心を摩耗させていく。 
  
 俺が何かに耐えている間にも電車は進み、止まり、また進む。 
  
 いったいどこまで来たのだろう。俺はどこまで行くのだろうか。 
  
 そんなずっと続きそうだった悩みはついに終わりを迎えた。 
  
 「終点だよ」 
  
 「え?」 
  
 少女の声で顔をあげる。 
  
 あたりを見渡すと電車は止まっていて、少女が目の前に立っていた。 
  
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