10:名無しNIPPER[sage]
2019/10/20(日) 23:53:22.52 ID:06K62MaI0
「……千代田桜さんには、返しきれない恩があります」
唐突に出てきたその言葉は、私の思考を完全に止めてしまうのに十分な威力を持っていた。
思考と一緒に時間すら止まってしまったかのような静寂。
「私にも、わからないことはたくさんあります。けれど、一度に色んな事があり過ぎても、困りますよね。まだ中学生なんだから、余計に。ただ、私達は貴方の味方です。それだけは、覚えておいてね。さ、一緒に行きましょう。タクシー代くらいは出させてください」
私は、開いた口を閉じる事もできずに、促されるまま、病院を後にしたのだった。
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