タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/29(木) 22:38:26.48 ID:aL0UdRTX0
>>327
続き
道路に沿ってとぼとぼ進んだ。駅がどっちにあったのかまるで分らなかった。だから適当に歩くほかなかったし(人は一度も見かけていない)、駅の近くに人家が数件あっただけなので、この先にまた家がある可能性は十分あると踏んでいた。だがそれはますます伸びていく道路の両脇の草木に、裏切られる予感しかしないのだった。生き物が見たかった。それも動くものを。マムシでも青大将でもいいから、目の前を横切ってほしかった。一人ぼっちで怖かった、寂しかった。突然の邂逅を望んだとき、彼は自分が人の住む家にありつけない未来をあり得るものと考えていることに気づいた。ぞっとして、その考えを振り払おうとした。しかし追い出そうとすると何度でも、TOKYO、の文字が蘇るのだった。
ついにアスファルトがなくなった。草が生えっぱなしの砂利道を分け入っていく。そう書くと絶望的じゃないか、そうだろう? と彼は誰ともなく呼び掛ける。わざわざそういうからには、絶望から彼は脱しているのだった。かれは、「砂利道」を歩いているのである。もうわかるだろう? 山頭火はこんな道を進んだだろうか? 分け入っても分け入っても青い山はこんなところだったろうか。彼はそれを知らなかった。
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