高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「お互いを待つカフェで」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/17(日) 18:56:42.91 ID:i6ln0z2d0
何に不安を抱いているのか分からなくなっちゃった。
藍子のことが理解できているかどうか? 藍子の為に何かしてあげられるかどうか? ……思ったんだけど、どっちもなんていうか、馬鹿馬鹿しいよね。
藍子のことが分からないなら、今みたいに藍子から聞けばいい。藍子が何かしてほしいって言ってもないのに、余計なお節介を焼く必要もない。点数が足りないなら一緒に解答欄を直せばいいだけだよね。
藍子のことが好きだって胸を張って言えないのなら、たとえ真心じゃなくてもいい。「好き」って言い続ければいいだけのこと。点数の桁なんて私が勝手に増やしてしまえばいいんだ。

空のカップからティースプーンを取り出し、テーブルの隅のナプキンを軽く折りたたんで、濡れた側の枕にして置く。浮かべた笑みがちょっと歪んでいたので、自分で右頬を軽くつねった。


加蓮『じゃあ楽しみにしとくね?』


私が送るべき返事はこれだ。既読がついて、それから藍子が返信してくることはなかった。
店員さんが、空のカップを下げにやってくる。私と目が合って、不思議そうに首を傾げられる。藍子がいないのに楽しそうな私に疑問を持ったのかな?


加蓮「好きな子のことを好きだって改めて思う時間って、すっごく幸せにならない?」


店員さんは緩やかに頷いた。彼女が手を伸ばす前に私から空のカップを渡し、それから私は顔を窓の外へと向けた。
最近、店員さんとはそこそこ仲良くなったつもりだ。でも今の私の顔を見せていいのは、この世界に1人しかいないから。


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