ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 21:41:00.35 ID:kNKMPaOnO
『うーむ。これは難しい……どうしたものか』

ホグワーツに着いて早々、儀式が始まった。
帽子が決定する、恒例の組み分けの時間だ。
ホグワーツのクラスは各学年ごとに4クラス。
新入生達は毎年、学校の創設者の名前を取って、グリフィンドール、レイブンクロー、ハッフルパフ、スリザリンにそれぞれ分けられる。

ドラ子はもう既にスリザリンに選ばれていた。
マルフォイ家は代々スリザリンの家系であり、そのクラスに選ばれるということは血統の証明とも呼べる、大変名誉なことだった。

ちなみにロンとハーマイオニーはグリフィンドールであり、そして現在はハリーの番だった。

『ああ、困った。困ったのう……実に悩ましい』
「あの、どこでもいいので早くしてください」

ハリーは衆目を集めるのが好きではなかった。
ただでさえ自分はなんだか有名人らしいのに。
組分け帽子が悩むことはとても珍しいらしく。
生徒や教師達は、興味深そうに見入っていた。

『ほう! どこでもいいとな! それは真かな?』
「僕に向いているならばどこでもいいです」

たしかに早く儀式を終わらせる為に、頭の上で悩み続けている組分け帽子に対してどこでもいいとは口にしたが、適当に選ばれては困るので一応、適正のあるクラスと念を押しておく。

『なんじゃ、不安なのかね?』
「それはまあ、少しは」
『案ずるな。君はどこででも成功するだろう』

果たしてそれは、気休めだろうか。
もし本当ならば、早く決めて貰いたい。
でも、両親を奪ったヴォルデモートは学生時代にスリザリンだったらしいと聞いていて、それはなんだかちょっと嫌だとハリーは思った。

『スリザリンは嫌かね?』

率直に言って、嫌だった。
出来れば避けたいのだけど。
ふと、広間で祈る銀色の女の子が目に留まる。
まるで神に祈るように、手を組み瞳を閉じて。
もしあの子が願うならば、構わないと思った。

『スリザリン!』

会場がどよめく。大方の予想を覆した。
闇の帝王を打ち負かした子供の行く末。
次代の王への恐れと期待が入り混じる。

そんな周囲の感情など気にも止めず、ハリーは呆然とした表情を浮かべてこちらを見つめる銀色の女の子の元へと、真っ直ぐに向かった。


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