逢坂大河「たまにはいいのよ、たまにはね」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/23(木) 02:46:56.66 ID:VkxCchnrO
「へ、変じゃない……?」
「おう。上手く切ったもんだな。似合ってる」

何故だろう。
パパに似合うと言われるとママより安心する。
ほんの少しだけ、気持ちが楽になった。

「パパは親バカだね」
「そんなことはないぞ」

なんて言いつつも、父は私を優しく手招き。

「何か悩みがあるなら相談に乗るぞ」

そう促されて、泣きたくなった。
パパは優しい。目つきは悪いけど優しい人だ。
そんなパパの目が悩みだなんて言えなかった。
だから何も言えず俯いた私に父は語った。

「父さんもな、この目つきの悪さで高校時代は苦労したもんだ。今だって苦労している」
「うん……」
「でも、おかげでママと出会えた」

それは結果論に過ぎないけれど説得力がある。

「ママだけじゃない。目つきの悪い父さんと仲良くしてくれた人達はみんな良い奴らだった」

過去を懐かしむように目を細める父。
普段は目つきが悪いのに今は嬉しげだ。
それほど、楽しい高校生活だったのだろう。


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