17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:00:19.46 ID:CDwt0mRk0
  
  その声が、声たちが、いったい何についてぼくへと奔流を浴びせかけているのかわからなかった。やってしまったという後悔も、みんなが注目してくれているという昂揚もそこにはない。起き抜けの頭は火花が散るばかり。 
  そうして次第に明晰していく中で、ようやくぼくは気付いたのだった。 
  
  どうやらあの日の主張はボツにはならなかったらしい。 
  
  もしかしたらスタッフのお遊び、悪戯心だったのかもしれない。ちょっとアクの強い新人がいるから、いいネタになるだろうと……きっとそうに違いない。ぼくだったらそうする。大笑いしながら、ばっかじゃねーの、なんて手を叩きながら。 
  
  手に持っていたスマホが鳴る。……Pサマ。用件は出なくてもわかる。 
  怒られるかな? 真っ先に脳裏をよぎったのはそこだった。怒られるのはもちろんやだ。けれど、怒られもしないよりはぜんぜんまし。甘い甘い、甘美な猛毒。 
  
  
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