18: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:01:05.60 ID:CDwt0mRk0
  
  スマホはしつこく鳴っている。 
  正直、このまま電源を落として、布団被って、寝たい。惰眠を貪りたい。ぼくのせいであって、ぼくのせいじゃないのだと、世界のすべてに叫びたい。 
  だってそうだ。そうじゃない? ぼくはアイドルへの愛を叫んだだけなのだ。そりゃあ確かにちょっと批判みたいなことはしちゃったかもしれない。でもそれは愛ゆえであって、決して喧嘩を売ったわけじゃあない。 
  
 「思想の自由侵害とか、まじでやむし……」 
  
  掛布団を引っ掴む。そのまますっぽりと頭まで。 
  
  やだ。やだやだ、もうやだ。 
  結局ぼくはぼくのまんまだ。迷惑かけてばかりのくず人間だ。努力もできない。尊くない。アイドルになんかなれっこない。 
  
  やむ。 
  口に出したところで、誰も助けてくれやしない。 
  
  ちやほやされたい。されたかった。いや、でも、やっぱり、いまでもされたい。 
  迷惑かけても許してほしい。軽率な行動でも認めて欲しい。わがままだけれど愛して欲しい。 
  承認欲求の塊であるぼくは、ワンチャン期待でアイドルを目指して、そのくせアイドルにはなりたくなかった。ぼくの尊さを、ぼくはどこにも見つけることができないから。 
  
  
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