森嶋帆高「俺は、そんな夏美さんが好きですよ」須賀夏美「へっ?」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/21(金) 01:20:16.03 ID:jYVo7zbZO
「夏美さん」
「なに……帆高くん」

俯いたままの夏美さんに何を話すべきなのか、何を伝えるべきなのか、僕には正解なんてわからないけれど、でも、それでも、だからこそ。

「俺は、そんな夏美さんが好きですよ」
「へっ?」

驚いたたように顔を上げた彼女の目は赤く、瞳は潤んでいて、その涙を流したくなくて僕は。

「いつもは綺麗で頼り甲斐のあるお姉さんなのに、ちょっと弱いところもあって、みっともない姿を晒してしまう夏美さんは、素敵です」
「なに、それ……褒めてるの?」

褒めていたつもりだけど、言葉は難しい。

「とにかく、誰がなんと言おうと、あなたは素敵なお姉さんだから、だから、その……」
「ぷっ。元気出してって素直に言えないの?」
「わ、笑わないでくださいよ! これでも、俺なりに一生懸命、あなたのことを思って……」
「ふふっ。ありがと。ちゃんと伝わったよ」

揶揄いつつも、柔らかく微笑みながら目尻に浮かんだ涙を拭う夏美さんはやっぱり綺麗で、その雨が嬉し涙となっていることを、僕は願う。


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