9:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:41:15.52 ID:xmNjixo30
「わたしにとってのミミちゃんは親友で、相棒で、それで……」
恋人とか夫婦とか、わからないけどさ。関係にどれだけ名前を与えても無粋に感じてしまうくらい、特別になってしまっている。ミミちゃん。かけがえのない人。
彼女はわたしの言葉を聞いていた。テーブルに置かれた鍵に触れると、その冷たさで、自分の体が熱くなっているのが分かった。
「わたしも、ミミちゃんが大切で…ミミちゃんともっと近くになれるなら、そうしたい」
鍵を手に取って、胸の中に抱きしめる。心音は浮かれたように弾んでいた。思っていた通り、話すままにしていると感情が整理されて、暖かな響きだけが体に広がってくる。ミミちゃんに求められて、わたしの身体が生み出した温度だ。穏やかで心地いい温度が答えだった。
「この鍵、大事にするね」
ミミちゃんとわたしが住む家を想像した。錬金釜が置けて、たくさんお客さんを呼べるくらいの広めの家。部屋は広いのに、わたし達は二人がけのソファーにひっついて座って、幸せそうに笑っている。何年、何十年経っても、ミミちゃんの隣にいるわたしは笑っているだろう、そんな確信があった。
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