38:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:59:13.99 ID:z07AMiQQO
  
 「あたしも大好きだよ、おねーちゃんっ!」 
  
 「そう。やっぱり日菜は私の妹ね」 
  
39:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:00:07.53 ID:z07AMiQQO
  
 参考にしました 
 壱発ラーメン ippatsu.co.jp 
  
 D4DJ両日、アルゴナビス両日、メラドと、全てのライブで最速先行にてチケットが当選しました。コロナウイルスはさっさと終息してくれないかなぁと願う日々です。 
40:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:41:40.56 ID:z07AMiQQO
  
 おまけ 
  
  
 氷川紗夜「双子葉」 
41:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:42:25.93 ID:z07AMiQQO
  
  冬の終わり、もうすぐ春になろうという三月の夜の空気は、どこか懐かしさを孕んでいるような気がした。自室の窓から外を眺めてそんなことを思ったのは、もう間もなく十代に別れを告げるからだろうか。 
  
  壁にかけた時計の針は、十時を半ば過ぎたところを指している。三月十九日と十九歳の夜がもうすぐ終わる。九十分後の三月二十日には、私は二十歳。名実ともに『大人』に分類されることになる。 
  
42:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:43:05.03 ID:z07AMiQQO
  
  ――コンコン、と、不意に響いたノックの音に、頭に浮かぶ過去の風景画が色を失う。 
  
 「おねーちゃーん、まだ起きてるよねー?」 
  
43:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:43:33.60 ID:z07AMiQQO
  
 「お酒、買えたの?」 
  
 「彩ちゃんに買ってもらった!」 
  
44:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:44:02.40 ID:z07AMiQQO
  
 「随分買ってきたわね」 
 「せっかくだからね!」 
 「なんのせっかくよ」 
 「んー、おねーちゃんとの初体験のせっかく?」 
45:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:45:21.55 ID:z07AMiQQO
  
  そんな無駄話をしながら、日菜は銀色の缶ビールのプルタブを引く。カシュッ、と炭酸の抜ける勢いがいい音。その勢いのままグラスにビールを注いで、 
  
 「うわぁ、すっごい泡立つ」 
  
46:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:46:37.76 ID:z07AMiQQO
  
 「えー、CMとかだとあんなに美味しそうなのにー……」 
 「飲み方があるのかしら」 
 「あっ、そういえばそうかも! ビールは一気に飲み込むものだ、なんてお父さんも昔に言ってた気がする!」 
 「CMでもやたら喉越しが強調されているし、それがいいのかもしれないわね」 
47:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:48:03.88 ID:z07AMiQQO
  
  グラスにはまだビールがたくさん残っている。こうしてみると、泡だらけの日菜の方がまだマシだったかもしれないな。そう思いながら、再びグラスに口をつけて一口、今度は一息にビールを喉へ通す。 
  
  炭酸が喉を抜けて、少し熱く感じるアルコールが身体の中にすっと落ちていく。苦味は感じるけれど、少しクセになりそうな感覚だった。 
  
48:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:49:05.12 ID:z07AMiQQO
  
  ビールを飲み切って、各々目についたお酒をグラスに注ぐ。日菜は楽しそうな顔をして焼酎をジュースで割って飲み、私はウイスキーという響きにそこはかとない大人っぽさを感じて、それを炭酸で割って飲む。 
  
  確かこういうのはハイボールと呼ぶんだったかしら。うすしおとコンソメのポテチを開封しようとしている日菜を見ながら思う。口から鼻に抜けていく燻されたような風味と喉を通り抜ける炭酸の刺激が、なかなか好みだった。 
  
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