47:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 00:15:32.19 ID:SPkljqcV0
  
  「ん?」 
   
  「未だに会えないんだけど、速水さん。避けられてる?」 
   
48:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 00:39:49.10 ID:SPkljqcV0
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「……よし」 
49:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 00:50:51.05 ID:SPkljqcV0
  
 拍子抜けする程すぐにアイドル活動を認めてくれた両親の事ですので、 
 初めから頼めば全面的にバックアップしてくれた事でしょう。 
 ただ、父もお仕事で疲れているでしょうから、 
 そんな時に更に負担を掛けるような真似は気が引けて。 
50:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 01:05:07.97 ID:SPkljqcV0
  
 今度は父が思案する番でした。 
 彼方を見つめながら口元に手をやる癖は、妻が身籠ったのを機に煙を断ってからも、 
 どうやら染み付いて剥がれないようです。 
  
51:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 01:24:58.85 ID:SPkljqcV0
  
 自分の全てを暴かれてしまったようで、加蓮の頭に血が昇ってきます。 
 訳も分からないまま込み上がってきた言葉をぶつけようとして、 
 声帯が震える直前でどうにか唇を引き結びました。 
  
52:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 01:51:37.98 ID:SPkljqcV0
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「久しぶり」 
53:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:09:50.63 ID:SPkljqcV0
  
 奏の悪戯っぽく崩した表情へ、加蓮は確かにアイドルを感じ取りました。 
 相も変わらず、薄暗闇の中でも舞台女優のように映える綺麗な顔が、 
 寝息を立てるお城を優しく見守っています。 
  
54:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:38:51.98 ID:SPkljqcV0
  
  「それで、何か私に言いたい事があるんじゃないかしら」 
   
  「それそれ」 
   
55:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:52:44.46 ID:SPkljqcV0
  
  「……どう? どうっ? 今のアタシ、すっごい格好良くなかった?」 
   
 不敵な笑みは見る間に得意気なそれへとすり替わっていました。 
 はしゃぐ加蓮を目の当たりにして小さく口を開けると、 
56:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 02:56:36.13 ID:SPkljqcV0
  
 それだけ呟くと、彼女は何処かへと姿を消しました。 
 一方の加蓮はそのままの姿勢で十秒たっぷり固まって、 
 それからおそるおそる伸ばした指を確かめます。 
  
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20