1:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 16:44:07.53 ID:W5lmC8VA0
「お嬢さま、朝です。起きてください」
カーテンがシャーッと擦れる音と同時に、眩しく照りつける陽光が瞼の奥を刺激する。
眠気眼をこすりながら起き上がると、千夜ちゃんの姿は無かった。
リビングに出て、台所の冷蔵庫を開けようとした時だった。
足元を黒いアレが、私のそばをカサカサと通り過ぎようとしている。
何となしにボーッと眺めていると、千夜ちゃんはそれを見つけるなり、素早く丸めた新聞紙で叩いて始末した。
「……申し訳ございません。掃除が行き届かないばかりに」
「ううん、いいよ」
最近、忙しいものね、千夜ちゃん。
昨日も帰りは夜遅くて、夕食もロクに食べないまま、寝ちゃってた。
だのに、私よりも頑張って早起きして、ご飯の支度もして、今日も事務所に向かう。
千夜ちゃんは今、とても充実している。
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