綾波レイ「碇司令。ふーふー、しますか?」碇ゲンドウ「ああ、頼む」
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11:名無しNIPPER[saga sage]
2020/07/17(金) 00:34:34.26 ID:K9DhxrLpO
「そうか……これが、母さんの味なのか」

父親から思いがけず昔話を聞けて、しみじみとそう呟きながら味噌汁を啜るシンジ。
心温まるエピソードに一同は和み、流石のアスカも静かに味噌汁を飲んで、この味をしっかり覚えることに努めていた。

やがてシンジの椀が空になり、まるで待ちかねたように、すかさず綾波が彼に尋ねた。

「おかわり、いる?」
「ありがとう。お願いするよ」

少しばかり涙ぐみながらおかわりを頼んだシンジに頷き、綾波レイは席を立った。
そして冷めた味噌汁を台所で温め直すためにステージの袖へと消えた。
果たして、彼の涙に彼女は何を思ったのか。
それを各々想像しつつ、味噌汁を啜る。

「私もお料理を勉強しようかしら」
「そうね。私もレパートリーを増やすことにするわ。和食も良いものだと実感したわ」
「すぐにえこひいきに追いついてみせるわ」

手料理の偉大さを実感したミサトが三日坊主発言をして、リツコが実験に対する意気込みを見せ、アスカが対抗心を燃やす中、ゲンドウは一心不乱に味噌汁を啜る。

大して美味くもなさそうに、けれど箸を止めることなく食事をする父、ゲンドウの姿に息子、シンジは苦笑しつつ、母さんもこうして笑っていたのだろうかと思いを巡らせた。


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