3: ◆AhbsYJYbSg[saga]
2020/07/23(木) 19:42:26.41 ID:90W1dByK0
十年後
ヴィクティア王国 謁見の間
大臣「──といった次第で、難民の子どもたちが多数行方知れずとなっております。
難民の親たちからも捜索願が大量に届いておりまして……」
勇者(国王)「ふーん、それで?」
大臣「捜索隊を編成し、子どもたちの行方を探すのが道理かと」
勇者「道理……道理ね。それは誰にとっての道理なんだ?」
大臣「人としての道理でございます、陛下」
勇者「いなくなっているのは難民の子供がほとんどだな?」
大臣「はい」
勇者「なら放っておけ。国民でない者たちに国民の金は使えぬ」
大臣「しかし、それでは子どもたちが!」
勇者「『難民の子どもたち』だ。間違えるな。予算は出さないし捜索隊も編成しない」
大臣「ですがそれでは、親たちが納得しますまい!」
勇者「全力で捜索中だとでもいっておけ。
もし過激な行動に出るようなら国外に追放すればいいだけのこと。
そのような些事にとらわれるのは時間の無駄だ。次」
大臣「……かしこまりました。次に、中央市場に出没する盗人についてですが──」
──
ヴィクティア城 隠し通路
カツーン カツーン
勇者「はあ。面倒くせえなもう」
ギイッ
地下研究所
ゴポゴポ……
勇者「おーい、いるか魔王様」
スタスタ
魔王「やあいらっしゃい勇者。どうしたの? この場所苦手だったよね」
154Res/124.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20