少女「ボク、魔王になってもいいですよ」
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38: ◆AhbsYJYbSg[saga]
2020/07/26(日) 19:41:55.76 ID:JNQuZ7oj0

闇医者「いいかい。君から抽出した毒はどれも少量で人の命を奪えるほど強力なものだ。
 それを体内に宿して生活できるってのは、奇跡に近いことなんだよ?」

少女「そう……なんですか?」

 バッ
 
闇医者「君が本気を出せば、この世界のほとんどの生物を毒殺できる。それってすごいことだよ?
 一人で何万もの軍隊に匹敵する殺傷力があるってことなんだから」

少女「……でも……でも、スラさんにボクの毒は効きませんでした!」プイッ

闇医者「あーそれはしょうがないよ。スラさんは毒の完全耐性を持ってるから……」

少女「今まで、毒だけは誰にも負けないと思ってたんです。でもあんな簡単にあしらわれるなんて……。
 もう、なんだか胸が苦しくて、あっつくなってきました!」

闇医者「あ、怒ったんだね。竜に食ってかかったとき以来じゃない」

少女「そうです、ボクは怒ってるんです。でもスラさんに対してじゃありません。自分の弱さにです!
 さっきドクターは、何万もの軍隊に匹敵する毒だといいました。でも使い手が弱いままだったら、一人だって殺せない。
 もっと知りたい。強くなりたい。まずは竜さんを倒せるくらいに。そしていつか、スラさんを倒します!」ギュッ

闇医者「その意気だよ。スラさんがたきぎ拾いから戻ってきたら戦いを挑むと良い。
 ……ところで二人の名前は出てきたのに、俺の名前がなかったのはなんで?」

少女「ドクターはたぶん今すぐにでも殺せるので」ジッ

闇医者「怖いよ生贄ちゃん! まあその通りだけども!」



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