アルコ&ピース平子「夏の概念と夢の国」
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7: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/08/26(水) 23:32:24.93 ID:qUczw4Pjo
ほんとに好きなんだね、と笑われたこともある。むしろ熱量そのままに語ってドン引きされることすらある。素でも周りに半分引かれていることは承知、本当に最高の場所なんだと何回でもお伝えしていきたい。むしろ伝えさせてほしい、本当ならもっとたくさんの人に行ってほしい!
そもそもなんだ、お前は見たのかと。俺の熱を笑うならあそこで遊んだことはあるのか?と。問いたい、問い詰めたい、地の果てまでも問いかけに行きたい。寝起きでもベッドでもどこでも駆けつけて問いかけたい。
あのプールを、スライダーを、イーグルからの景色を、コースターを、人々の笑顔を、夏を彩る噴水の美しき水飛沫を、なによりも世界最古級の回転木馬である『カルーセルエルドラド』を。

行きたかった、本気で!俺も!泳ぎ納め的なやつやりたかったの!
……だってのに。

今年は例のウイルスを警戒しているおかげで、園は事前にチケット購入制になってしまっている。当然チケット枚数は決まっているわけで。そらね、行ったよ?もとから買えてた日は。だけど、そんな一回二回で足りるわけねえじゃん。
だから追加で行こうと思ったら、唯一スケジュールの余裕がある日はなんでかわかんねえけどチケットが売り切れてしまって、家に帰って即自分の部屋に戻り、声が枯れるかもしれないほど泣き叫びながら悔しさをひとり吐き出した。まあ嘘なんだけど。そこまでではないけど。泣いてないんだけど。つうか、ほんとに園の人にお礼とか言われても遠くの方で全然泣いてないけど。

(※ちなみに───結局その後、どうしても終わりたくなくてまたチケットを買って行ってきました。またお話します)

「マジでずっと言ってますね」

「そりゃあ言うよ。行きたかったもん……」

「忙しいのはいいことでしょうよ?喜びましょうよ」

「今回ばっかりは素直に喜べないねぇ」

「なんでよー!?いいじゃないすか」

現場に到着してからもそんな風にうだうだ言う俺へ、慰めるように酒井から言われても全然納得できなかった。それならむしろ今年全く忙しくないほうが良かったとすら思った。
そもそもだよ、こんな時勢だってのになんでちょっと忙しいの?いや、嬉しいよ、やっぱり仕事が途切れないってのは嬉しいけどさぁ……それとこれとは違うんだよ……。
本当に諦めきれない。が、そこで終わる俺ではない、こうなったらと発想を転換した。
そう、自分が行く代わりに誰かが行けたんだとしたらそれでよかったじゃないか。もしかしたらその人は俺と同じくらいとしまえんを愛している人なのかもしれない。いやあおめでとう、コングラッチュレーション!ラッキーボーイめ!
(※……そこは俺よりも、とは絶対に言わない。だって、なんか悔しいでしょ)

にしても、とても悲しい。分かっていることではある、けれどそれを受け止められるかどうかとはまた違う。理解はしているのに、心の底で否定したい。子供たちに一体どうやって説明しようか、いや、彼らはちゃんと話せば分かってくれるだろう。


全てのものはいずれ無くなる。
あらゆる生命は必ず失われる。
不滅のものなんてありえない。

有史以来、地球では絶対のルールだ。


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