キョン「俺だって嫌われたくないさ」佐々木「へ? じゃあ、キミは僕のことが……」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/04(金) 21:46:21.33 ID:PmfM16hRO
「佐々木、落ち着け。単純に見た目のカッコ良さならば、俺だって甲羅に惹かれるさ」
「ほ、本当かい? 僕、おかしくない?」
「おかしくない。ちょっと変わっているが」
「ど、どっちなのさ!?」

おかしいかおかしくないかと言えばおかしいだろうけれど、俺はそんな一風変わったこの親友のことをそれなりに好ましく思ってる。

「ちなみに三部作の第3作は観たのか?」
「もちろん観たとも! 第3作の『ガメラ 3 イリス覚醒』は主人公が女の子で僕みたいな髪型をしていたから感情移入がし易かったよ」

たしかに『ガメラ 3』は佐々木みたいな女の子がヒロイン兼主人公で、俺としてもガメラ・シリーズの中で特にお気に入りの作品だ。

「俺としてはあの第3作でガメラ・シリーズは有終の美を飾ったと思っている。特にお前の大好きな甲羅の造型が秀逸で、東京に飛来したガメラから頭と手足が生えて、渋谷に降り立つシーンには感動すら覚えた」
「キョン、キミは……」

饒舌にガメラ・シリーズ最高の名シーンについて語ってやると、佐々木は目を丸くして驚いた様子。俺だってこの程度の知識はある。

「"レギオン"に対するお前の言い分も理解出来る。仮にあれが"白虎"に相当する怪獣であれば、第3作のイリスは"青龍"として扱われて、"朱雀"のギャオス、そして"玄武"のガメラが揃い、物語の完成度は完璧になっていた」
「キョン……キミはやはり、僕の理解者だ」

この程度は一般教養だ。一風変わった奴と親友をやっていくには、必須な知識である。


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