ヴィクトリカ「久城……私も、君のことが大切だ」久城一弥「ヴィクトリカ……」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/06(火) 22:55:33.23 ID:e55HzmPuO
「ああ、言っちゃった! 恥ずかしい!」
「く、久城……?」
「ああ、最低だ! 僕は日本男子なのに、婦女子に対してなんてことを! ごめんなさい!」

とうとう言ってしまったとばかりに赤面して己を恥じる様子に、ますます謎が深まった。

「要するに君は、話のお尻に触れたいと?」
「ごめんよ、ヴィクトリカ。やっぱりダメだよね。わかっていたんだ。だから僕はなるべくそのことは考えないようにして、毎日無心で寝ていたんだよ。これまで必死に我慢してきたのに、僕は……弱かった」

問いただすと久城は寝台の上で正座して、忸怩たる悔悟の念をぶちまけた。
恐らく、彼の手に短刀が握られていたならば十字に腹を掻っ捌いていただろう。
そのくらいの剣幕で土下座をした。

「本当に申し訳ない」
「いや、すまない。この私の知恵の泉をもってしても、君の抱える謎は解けない」

ヴィクトリカには理解出来なかった。
何故、尻なのか。どうしてなのか。
いや、文献によれば女の尻に興奮する男が一定数存在するという事実はたしかにあるが、他にも色々あるだろう。そう思い尋ねる。

「君にはもっと欲はないのか?」
「と、仰りますと?」
「たとえば、ほら、もっとこう過激な……」
「過激って? どんなことをするの?」

キョトンと首を傾げる久城。
まるで無垢な子犬のようである。
対するはちょっとませた仔狼。
なんだかすごくふしだらに思えた。

「いや、なんでもない。私は何にも、なーんにも知らないとも! さっぱりだ!」
「でも、知ってる口ぶりだったよね?」
「く、口答えするな! そんなことより!」

このままでは分が悪いと見たヴィクトリカは、話題を逸らすべく、彼の手を取って。


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