神崎アオイ「どちらが先に炭治郎を落とせるか勝負よ」栗花落カナヲ「え、ええっ!?」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/08(日) 20:02:23.97 ID:VhMZ4/6fO
『この世にどうでもいいことなんて無いと思うよ』

彼にそう言われてから私の世界は変わった。

自分の意思を持たず、周囲から人形と呼ばれていた私はあらゆることを銅貨の裏表で決めていた。何もかも全てがどうでも良かった。

自分で何かを選択することには必ず後悔が付き纏う。その重荷から目を逸らし続けた。
師範の言いつけを守り、蝶屋敷の人たちを助け、そして鬼を倒す。それだけが私の仕事。

それ以外のことは何も考える必要はない。
ずっとそうして生きてきたし、これからもそうやって生きて、そして死ぬのだろう。
漠然とそんな未来を想像して、けれど何ら不満も不安もなく、そして諦観すらなかった。

しかし、彼の言動で私は変わってしまった。

「炭治郎……」

任務の合間に蝶屋敷に立ち寄る際、彼が療養していないか確かめるのが癖になった。
病室を見て周り、傷ついた彼が伏してしないか確認して、姿が見えないことに安堵とも落胆とも言えぬ溜息を吐くのが一連の流れだ。

「また炭治郎を探していたの?」
「え? う、ううん。私は、別に……」
「隠さなくたっていいわよ」

そんな私の不審な行動を見て、蝶屋敷で働く神崎アオイがある日、こんなことを言った。

「カナヲも炭治郎が好きなんでしょ?」
「え……?」

予期せぬその言葉に、頭が真っ白になった。

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