16:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 01:01:02.83 ID:F8D/mY4l0
◇
事務所屋上の重たい扉を開ける。
屋上の端の丸椅子に腰掛けて、タバコに火をつけようとしてる男性ひとり。
来るはずのない来客に、ポカンと口を開けて驚いている。
差し入れの缶コーヒーを差し出しながら、声をかける。
「メッセージ、見たわよプロデューサーくん♪」
「お、おう。ありがとう。
来てたのか。ここ、青羽さんに聞いたのか?」
「ええ。またタバコ?」
頻繁に吸っていると思われているのが心外なのか、ムッとする。
「またとは失礼だな。
前、誰かさんに見つかったから、場所を変えただけさ」
彼はライターを掲げて、『いいか?』と無言で聞いてくる。
私は頷いて、一歩離れて距離をとる。
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