10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:00:52.98 ID:6NLLeJ5C0
彼はデスクに手を付いて、
「だよな、じゃプロデューサーらしい事言うけど、千夜に演ってもらうのは――その顔やめないんだな? そっか。うんいいね、それも可愛いし。あ、やめちゃうの――千夜に演ってもらうのは、モルジアナっていう女の子だ」
「モルジアナ、…… と言われましても。主役というなら、アリババでは?」
「ああ、いいよ。僕も詳しくない」
「いい…… とは」
「で、文香に聞いてみたんだ」
「文香」
「鷺沢文香だよ。本好きの子」
「はあ」
「ほんの雑談でね。それが楽しかったみたいだ」
千夜は鼻息をもらして、再び《そんな顔》を用いて彼を睨んだ。
「その鷺沢さんの嗜好がどうだろうと、私には関係がないでしょう」
「ああ、関係ないって思うよな。それでさ、千夜もほら、役どころ、読み合わせまでにはちょっと掴めた方がいいだろ。で今、文香が丁度それについて調べてる」
「はあ」
「聞きに行ってあげてくれよ。喜ぶよ」
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