玉座の間にて
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12: ◆CItYBDS.l2
2021/02/03(水) 22:31:59.33 ID:MC1F9erq0

「いえ、仰りたいことはわかります。ただまあ、我らは勇者の血筋でありますれば」

私の心中を慮ったその言葉に、ひとまずの安堵の息がこぼれる。
やはり、印象に違わぬ配慮をもった青年だ。

だが、気になることを申した。

「『勇者の血筋』と?」

「はい。私共の先祖は、かつて先の世の魔王を打ち倒した『勇者』にございます」

「ほう、我が国勃興の折に尽力したという勇者の子孫であったか。
いやしかし、伝説の勇者の子孫が残っていたとは知らなんだ」


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