玉座の間にて
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13: ◆CItYBDS.l2
2021/02/03(水) 22:32:37.43 ID:MC1F9erq0

「ははは、まあご先祖の働き以降は特に活躍なく辺境にて暇を持て余していました故。
ご存じなくとも仕方ありますまい」

「しかし、今ここに我らは魔王を打ち倒した新たな英雄を迎えているのだ。
まずは、貴公の家について話を聞かせてもらえるか?」

「それでしたらまず我が先祖の話から始めましょう」

ふと視線を横に移すと、常ならば眠たげにしている衛兵が今日は目を爛爛と輝かせている。
まったく現金な奴だと頬が緩む。だが、英雄の冒険譚が直に聞けるとあらば致し方もあるまい。

現に、老いた私でさえ勇者の語り口に心躍らせているのだから。


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