玉座の間にて
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3: ◆CItYBDS.l2
2021/02/02(火) 18:56:56.10 ID:acYUvXZS0

彼と、剣を交えれば私は確実に死ぬ。
いや、死すらを超える恐怖をこの身に刻まれるであろう。
剣を抜くことができない。彼と戦う意思が湧かない。いますぐ、裸足で逃げ出したい。
御伽噺でしか知らぬ、伝説がいま私の目の前にあるのだ。

そんな私の葛藤を見抜いてか、魔王はくつくつと目を細めた。

「安心しろ、とって食おうとは思わん。だが、些か無礼ではあるな」

「申し訳ございません。我が一族は、礼より先に剣を学ぶ故」


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